愛和食品は、ヒーローズクラブ・豈(やまと)プロジェクトの一員として、化学肥料を使わない古代米「神宝米(かむたからまい)」の栽培に取り組んでいます。有機JAS規格を満たしているお米は、日本には0.08%しかないと言われています。その貴重なお米づくりを継承し、拡げていくために「半農半Xプロジェクト」に参画。農家さんと手を取り合って、栄養価が高い安心安全のお米の復興に挑戦しています。
現在、愛和食品の社員食堂「はたけのキッチン」で炊かれているお米は「神宝米」です。粒が大きくしっかりとして、香りが豊か。噛むと甘みがじんわり感じられ、身体がよろこんでいる感覚で満たされます。自分たちも栽培に関わったお米を、会社の仲間と一緒に食べる。社員は食事から健やかになり、健康的な社員が増えると社長もうれしい。さらに、お米を美味しくいただくことで、農家さんも元気にできる。「神宝米」を通して、ポジティブな感情が循環しています。
私が、社員食堂の設立を思い描き始めたのは、創業者である父の突然死がきっかけでした。父は、亡くなる直前まで仕事をし、毎日「健康のために」といって、コンビニのおにぎりとヨーグルトだけを昼食に摂っていました。
この十年、食品について学びを深め、もちろん、それだけが原因でないことはわかっています。しかし、スキルス性のがんであっという間に亡くなった父に、もっと何かできなかったのかと後悔が押し寄せたのです。さらに、経営幹部が体調を崩したこともつらい記憶として残っています。懸命に働き、周囲の人を幸せにした人ほど、自分らしく人生を楽しんでほしいのに……。
そんな経験から、何よりも健康が大切だと痛感しました。そこで、社員食堂をつくり、安心安全な食材を使った野菜たっぷりの食事を提供しようと決めたのです。